代表者挨拶

代表者挨拶

近年のテクノロジーの目覚ましい進歩は、医療技術の進化に大きく貢献し、医療の質は飛躍的に向上しています。例えば、医療用ロボットの登場、AI画像診断技術の実用化、IoT技術による遠隔診療の実現など、多方面でテクノロジーが底上げし、医療分野における技術革新が進んでいます。これら先進的な医療技術を駆使し、質の高い医療を提供するためには、これまで以上に医師は最新の知識・技術の習得に努めなければなりません。しかしながら、近年の医療技術の進化のスピードに応じて資質と能力の向上を図るためには、個々の努力だけでは対応が困難になりつつあるのが現状です。
 この現状を解決するためには、医学・医療教育、高度医療専門家育成に欠かすことのできない質の高い充実した教育セミナーや研修会の機会を提供し、医師個人が資質と能力の向上を継続できるようにすることが重要です。さらに、各医療機関の枠を超えた人材育成支援体制を構築し、運用することが急務であり、社会から求められている責務のひとつです。1つの医療機関のみでは困難なことも、山陰の多くの医療機関が協力することで、医師の資質向上のみならず、将来的には医師不足や地域偏在の改善にも役立つのではないかと考えます。
 この度、山陰の多くの医療機関が協力し、医学生、研修医、さらには若手からベテランの医師まで幅広く人材育成の支援体制を推進することを目的として、特定非営利活動法人山陰医療人材育成支援機構を設立することとしました。本法人の活動を通じ、有能な医師を育成することは、地域医療全体の質の向上と医療安全の確保に直結し、一般市民の医療と福祉の増進へ貢献できるものと考えます。
 現在のコロナ禍で、医学生や医師養成に多大な影響が出ている中においても、当法人は山陰の医療人材育成において大きな役割を担っていく所存でございます。関係各機関の皆様には、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2022年7月
特定非営利活動法人山陰医療人材育成支援機構
代表者 廣岡 保明